白い巨塔(劇場版)DVD
白い巨塔 劇場版この映画に欠けて居る視点−−財前の様な医者を求めるのは誰か?(2007/12/18)
私が研修医だった頃の事である。私が研修を受けたその大学病院には、皆から尊敬され、そして、大変畏れられて居た内科の教授が居た。中でも、その教授の回診は非常に厳しい事で有名であった。その教授は、回診の場で、研修医とその指導医を厳しく問ひ正し、時には厳しく叱責する事も多かった。その為、毎週、その教授が回診を行なふ前夜は、私達研修医は、夜遅くまで病院に残り、指導医と、翌日の回診の想定問答などを上の医師たちから試され、回診に備えるのが常であった。ところが、或る日、その教授が、理由は忘れてしまったが、患者の居ない場で、私達を叱責して、こんな言葉を口にしたのである。−−「回診と言ふのは、患者を安心させる為にやって居るんだぞ。」−−当時の若い私は、目から鱗が落ちる思ひであった。その教授が、毎週、回診を行なふ理由は、患者に、教授を含めた医師達の真剣さを見せ、患者を安心させる為だったと、その教授が言ったからである。この教授の言葉をどう思ふかは、人さまざまだろう。だが、今、私は、この教授の言葉を素直に受け止めて居る。そして、思ひ出して思ふ事は、大学病院の回診を大名行列と呼んで笑ふ人が多いが、それを求めて居るのは、実は、患者ではないのか?と言ふ事である。つまり、医者を偶像化するのは、患者の側であって、大学病院の教授回診には、患者のそうした願望に応じて居る面が少なからず有るのではないかと言ふ事である。この映画を含めた「左翼」系の映画や劇画には、そう言ふ視点が欠けて居る気がするのだが、皆さんはどう思はれるだろうか。
(西岡昌紀・内科医) 完成度(2007/06/17)
1978〜79年のTVドラマ版が高く評価されがちだが、自分はこの映画版が1番好きだ。テンポが速く、様々な登場人物が魑魅魍魎的に配置されているにも関わらず人間関係が分かりやすく2時間半の中にコンパクトにまとめられている分、1つの作品として完成度は高いと思う。白黒というよりは銀色に近い映像もシャープな雰囲気をいっそう出している。料亭や財前邸のセットも小奇麗でモダンな印象を受け昭和41年度芸術祭に参加した映画だけあると思った。 TV版を観てからだと単なるダイジェスト版にしかみえないという人が多いので、「白い巨塔」初挑戦の方はこの映画版を先に観ることをお勧めします。
財前のシャープさ(2007/02/04)
東教授役の東野栄次郎に違和感を感じてしまうのは、水戸黄門のせいであろうか。田宮二郎のドラマ版に比して、財前(田宮)のシャープさ、大胆さは、ディフォルメされている。密度の濃い分、映画版の価値は高い。
白い巨塔の原点(2006/03/18)
田宮二郎主演による映画版で、最も古いバージョン。限られた時間ゆえに端折られている箇所も多いが、リアリティはこちらが上だと思う。何よりも田宮の演技(特に目力)に圧倒される。
唐沢版を見てストーリーを把握しているから人間関係が理解できたが、何の予備知識もなくこれを観ると、特に裁判時の専門用語のオンパレードに混乱することだろう。数年後のドラマ化もそんな声から生まれたのかも? 高いレベルの勝負だが 田宮ドラマ版>田宮映画版=唐沢ドラマ版 と総合評価。 外科医くさい田宮二郎(2006/03/14)
この映画の撮影中、田宮二郎は周囲の人に、”虫垂炎くらいならやれるぞ”と言っていたらしい。この発言は非常に外科医くさい。そして、劇中の手術シーンを見ていると、ますます外科医くさい。なりきっている感じが、迫力がある。最初に胃切除(恐らく幽門側胃切除)のシーンが出てくるが、あれは実写だろう。今では考えられない事だが。当時の手術手技を垣間見る気がして興味深い。
ストーリーは原作に忠実だと思う。ただ、原作を読むと出世欲に取り付かれた男の悲劇、という感じがするが、そういった雰囲気よりも財前のいやらしさが前面に出ていて、少し残念。
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白い巨塔(劇場版)DVD白い巨塔特集Dr.コトー診療所特集ER緊急救命室特集
???東教授(東野英次郎)の定年により、その後任選挙で揺れる大阪の浪速大学医学部。そんな中で野心家の財前五郎助教授(田宮次郎)は、東一派の妨害を巧みに交わしながら、ついに教授の座へ。しかし、そんな折り、彼は院内の医療ミス問題で訴えられてしまい……。
???医学界の派閥争いなどに罪をとった山崎豊子の同名小説を原作に、社会派の巨匠・山本薩夫監督が映画化した問題作。選挙のときは財前の敵だった者たちが、裁判になると医学界の権威のために一転して彼を弁護するなど、権力を巡る人間の醜さが徹底的に描かれている。モスクワ映画祭では銀賞を受賞。後に田宮は同原作のTVシリーズでも財前を演じて自身の当たり役としたが、その撮影終了直後に自殺を遂げた。(的田也寸志) (Amazon.co.jp)
白い巨塔 劇場版
白い巨塔は、もともとサンデー毎日に連載されていた山崎豊子の長編小説。医師同士の権力争い、誤診問題など医学界の問題点を鋭く描いている。白い巨塔は1978年には田宮二郎主演で製作され、2003年にはフジテレビ開局45周年記念として唐沢寿明主演で製作された。 |
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